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いいひとであることって大事よね・・ - 書評『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』

『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』を読みました。

超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略 増補改訂版

超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略 増補改訂版

本書を買った動機は、リーダーとして働くのにいいひと戦略が役に立つかなーと思ったからです。個人的な話で恐縮ですが、ちょうどターニングポイントでして、リーダーとしての役割も求められ始めているので、参考になるかなと思ったのですが正直期待はずれでした。。 どうも私はターゲット読者ではなかった気がする。。(笑)

「いいひと戦略」とは?

本書の概要は、他社からの評価が貨幣価値よりも高い価値を示すので、生きる戦略を変えていかなければいけないというもの。その戦略がすなわち「いいひと戦略」であり、戦略的に「いいひと」として振る舞うことで、新しい社会「評価経済社会」を生き抜こうというものです。

全体的な感想としては、本書全体を通じて、著者のアオリとも読めるような論が目立ち、1ページ読んではツッコミを繰り返し、納得感が全くないのです。。いちいち突っ込んで歩くのもどうかと思うし、そんなにいいひとでは無いのでちょっとだけ。

スターを得て、評価を得て面白いことがやりたい!

いいひとであることや、それによって得られる他者の評価が価値を持ってくるし、それが可視化されてきて、影響力を持ち始めている、点についてはそのとおりだと思います。ビジネスにしても、数字が全てだとは思えないし。

読みながら、気がついたのは、オンラインのいい人達はなぜいい人として振る舞うのか?という点。例えば、人の参考になる記事を書いているブロガーなんかはいい人の代表なんだと思う。この本では、その同期を評価を得られるからと書いてあるんだけれども、私は評価を得ることで、自分の興味がある人や面白いと思っている人にリーチして、さらにおもしろいことができるという同期もありそうだなと思った。だから自分はブログを書いて、星やブクマやPVを集めているのかなって。

ただ、論が無理やりすぎる。

いいひとであること、他者からの評価、一緒にいて仕事がし易いというような、数字に現れにくいことに価値があることは、私もそのとおりだと思います。しかしながら、説得力を無理にでも持たせたかったのか、どうも無理やりに理屈付けようとしているのが目につく。

例えば、FacebookTwitter、インターネットが流行って、評価社会に変化してきているような論じ方をしているのだが、別に他者からの評価に価値があったのは昔からだし、いいひとが価値を急に持ち始めたわけではないと思います。著者自身もそのように書いているのだけれども、昔と今と何が違うかには全然フォーカスが弱い。さらに、Facebook でのいいねの数や、Twitter のフォロワーの数がすなわち評価の多少を証明しており、「兌換性を保証する」とまで書いてある。ナイナイナイ。複垢とか、そもそもそのアカウントが目の前のこの人のものなのかとか、フォロワーをカネで買うとか、そういう話、知っていると思うんだけど意図的に無視しているんだろうな。。

あと、貨幣経済よりも価値を持つという論。私は貨幣経済と評価というのは、比較できるものでもないし、両者混在しているものだと思います。会社での評価も売上や数字だけが100%じゃなかったはず。わらしべ長者みたいに、ものを貰いまくっている人も知っているし、東京以外にはそういうおばちゃんっていっぱい生息していると思う。嫌なやつでも数字が全てだったみたいに書いてあるけど、それってどこの世界の話?

あと、もう一つ言いたいのが、裏付けとなる参考文献、調査、データ、論文の参照が少なすぎて、どうもそういう書き方もうすーい納得感の原因になっている気がする。全然無い、と言ってもいいぐらい。

まとめ

まあ、いいひとであることって大事よねー。得られることもあったけどなんだかなー。。